両立支援の取組事例
「ニッケ健康宣言」を制定し、重点施策として治療と仕事の両立支援に取り組む
日本毛織株式会社 岐阜工場
- 会社名
- 日本毛織株式会社 岐阜工場
- 所在地
- 岐阜県各務原市鵜沼各務原町8-7
- 事業内容
- 繊維業
- 設立
- 1958年9月
- 従業員数
- 227名(2023年10月現在)
- 平均年齢
- 47.9歳 /男女比 男性4.7:女性5.3
- 産業保健スタッフ
- 1名
ニッケは祖業である繊維事業を核に成長してきた企業ですが、現在は、“人と地球にやさしく、あったかい企業グループとして、わたしたちは情熱と誇りを持ってチャレンジして行きます”という共通の経営理念を持つ事業複合体へと進化しています。衣料繊維・産業機材・人とみらい開発・生活流通の4つの事業すべてを本業と位置づけ、それぞれのさらなる成長を目指しています。
岐阜工場は1958年(昭和33年)鵜沼工場として操業を開始し、ニッケの技術を生かしたウール由来の先端素材やハイブリッド素材の開発に取り組んでいます。ウール地の国内NO.1メーカーとして警察・消防・鉄道・航空会社等の制服や学生服の生地の製造を通じ、ウールの素晴らしさを世に広め続けています。
経営理念である「人と地球にやさしく、あったかい」企業グループとして、従業員が情熱と誇りを持ってチャレンジする、活き活きと生命力あふれる企業を目指しています。この実現のために、従業員一人ひとりの心身ともに健全な状態が不可欠であると考え「ニッケ健康宣言」を2023年6月に制定し、「治療と仕事の両立支援」をその中の重点施策の一つとしました。
病気になる前と病気になった時の両面から支援する福利厚生制度を導入し、病気になった際の不安を解消し、安心して能力を発揮できる職場環境整備を推進しています。
病気になる前としては下記制度、施策があります。
①健康診断結果分析
従業員の健康診断結果に関しては産業医に診断結果を共有することにより、各自の健康課題を把握し個別にアドバイスをもらいその改善に取り組んでいます。
主に運動機会の増進と食生活改善の取組を重点的に実施しています。
②健康増進セミナー(大阪本社)
従業員の健康診断課題からテーマを抽出し、生命保険会社から派遣された講師による「健康推進セミナー」を実施しています。
実施後のアンケートでは98.6%の参加者が「参考になった」と回答しています。
③健康増進アプリを利用したウオーキングイベント開催
サントリープラスの健康増進アプリを利用したウォーキングイベント「歩こうフェス」を実施し、社内コミュニケーションの向上と運動機会の増進を図っています。岐阜工場では8割弱の従業員が参加しました。
④復職支援プログラム
休職者とは定期的に連絡を取り合います。求職者が復職を希望する場合、会社と産業医が連携し状況に応じた復職プログラムを作成し、リハビリ出勤、短時間勤務、軽作業実施などステップを踏んで無理なく復職できるようサポートしています。
病気になった後は当事者、総務担当、産業医で相談し、復職後の働き方について決めることとしています。
咽頭がんを罹患して治療後職場復帰した事例があります。元は夜間勤務でしたが復帰時は本人、上長と総務担当で復帰後の働き方を相談し、最初は昼帯の時短勤務、その後はフルタイムの昼帯勤務を経て現在は元の勤務体系に戻って働いています。
①がん医療情報サイト
治療しながら働き方を工夫してがん治療と仕事を両立する際に自助努力をサポートする情報が掲載されている情報サイトで、パソコンやスマホからいつでも利用できます。
②ハッチのがん相談サポート(ハッチヘルスケア)
「がんかもしれない」「がんになった」従業員への専任による治療サポートをはじめ、精神面や経済面、生活面などの様々な側面から支援を行っています。
年に1回、労働組合と意見交換会を行い、コミュニケーションを図っています。従業員の意見を定期的に聞き、会社側が働きやすい職場環境を提供することで、従業員たちも働きやすい職場と認識でき人員の定着に貢献できていると思います。健康経営に取り組むことにより、入社3年以内の新入社員の離職率も年々改善されています。
今年制定された「ニッケ健康宣言」を今後も内容拡充し、従業員の健康に関する意識を高め「治療と仕事の両立支援」にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。
取組事例一覧