両立支援の取組事例
非常勤職員についても常勤職員同様の仕組みや制度を適用
社会福祉法人 梅の里
- 会社名
- 社会福祉法人 梅の里
- 所在地
- 茨城県東茨城郡茨城町小幡2766-36
- 事業内容
- 障害福祉サービス
- 設立
- 昭和62年10月
- 従業員数
- 78名(常勤61名・非常勤17名) (令和5年10月現在)
- 平均年齢
- 44歳(常勤38歳・非常勤65歳) /男女比 男性4.6:女性5.4
- 産業保健スタッフ
- 7名(産業医1名・看護師2名・衛生管理者4名)
「社会福祉法人梅の里」は茨城県の県木である『梅』を法人名に取り入れ1988年4月にスタートした、発達障害者支援の先駆け的な法人です。当初は1つの施設を擁する小さな法人でしたが、利用者が安心して幸せな日常を過ごしていけるように法人内の施設や事業所を整備していきました。現在は5つの事業に60人を超える職員を擁して運営しており、今もなお、茨城県において発達障害者のための事業を展開する中心的な法人として活動しています。両立支援においては、病気になってもお金の心配をせずに安心して働き続けることができるよう、業務災害総合保険に法人負担で加入しています。
事務長就任後最初に考えた施策が福利厚生の充実でした。
2016年、一人の職員から健康状態が悪く民間の保険に入ることができないとの相談を受けました。それがきっかけで当時法人の火災保険を担当している保険会社に相談したところ、法人の費用負担で全従業員の入院を伴う病気等をカバーできる保険があると聞き、2016年より法人として加入することになりました。
基本的に日本の社会保障は手厚く、常勤職員で社会保険に加入している場合はほぼ問題なく病気の治療等ができると考えています。当法人は常勤職員と非常勤職員の平均年齢差が大きく、高齢の非常勤職員の疾病リスクが大きいと思い、非常勤職員もカバーできるようにしました。
①腫瘍マーカー検査の機会の提供
年に一度利用者の健康診断時に希望する職員へ腫瘍マーカー検査の機会の提供を行っています。
②健康診断受診時の年次有給休暇取得
健康診断は自分の好きな医療機関で受診し、半日勤務扱いでその日の午後は半日年次有給休暇の取得を勧めています。
③時間単位の年次有給休暇取得
通院等に柔軟に対応するため時間単位の年次有給休暇取得を可能にしています。
④法人加入保険
治療費(入院を伴う)の自己負担分を最大50万円までカバーし、且つ入院時個室の負担金も10,000円まで補償しています。在職中に発症した病気に関しては、退職を余儀なくされた場合にも上限50万円までは退職後までカバーしています。
➄産業医
社内メールで繋がっていていつでも相談できる体制を整備しています。
⑥健康診断結果のフィードバック
健康診断の結果はすべて産業医の先生が確認しており、フィードバックが必要な職員に関しては産業保健スタッフの看護師から伝えてもらうようにしています。
夜勤中に急性腹症を発症した事例があります。一週間ほどの入院加療後、産業保健スタッフや上司との相談の結果、退院後9日間は自宅療養して十分な休養を取ってから復職しました。その間の給与に関しては年次有給休暇及び傷病手当金で手当し、入院にかかった費用に関しては、全額法人加入の保険から支給されています。
保険会社の下記保険サービスを法人契約しています。
■電話相談サービス
医師、保健師、看護師などによる24時間、年中無休で健康に関する相談を受けられます。
■メンタルケアカウンセリングサービス
心理カウンセラーによる電話相談や面談カウンセリングを受けられます。
■がん治療と仕事の両立支援サービス
がんに罹患した従業員とその家族へ治療と仕事を両立するためのアドバイスや社会保障制度を案内してもらえます。
①健康習慣アンケートの実施
年に一回、保険会社と相談して健康に関する意識調査を職員に実施し、健康リスクを事前に把握して予防策の参考にしています。
②職場環境の改善
年に一回、職員の意見を職員代表がまとめて産業保健スタッフと総務部による衛生委員会に報告してもらっています。
職員が安心して働ける環境(健康経営への取組、福利厚生の充実)を整えたことにより、職場定着率の向上が図られています。
■退職者推移
平成30年度 5名
平成31年度 2名
令和2年度 1名
令和3年度 1名
今後は事業拡大に伴って職員の健康を考慮しながら勤務シフトのパターンを増やし、本人の病気、育児、介護など職員それぞれの環境に対応できる働き方を制度化したいと考えています。
また、年次有給休暇の時効消滅分をうまく病気治療に使える施策を考えていきたいと思います。