厚生労働省

治療と仕事の両立支援ナビ

両立支援の取組事例

「笑顔で気働き」をモットーに、従業員の心身に寄り添う体制づくりを整備

株式会社加賀屋(加賀屋グループ)

総務人事部 総務人事部長 杉森淳二氏

会社名
株式会社加賀屋(加賀屋グループ)
所在地
石川県七尾市
事業内容
旅館業
設立
創業1906年9月 設立1958年4月
従業員数
255名(グループ連結1,183名)(2021年12月現在)
平均年齢
45歳/男性4:女性6
産業保健スタッフ
6名

明治39年に12室30名収容の宿からスタートした加賀屋はお客様満足を一筋に追及して今日を迎えます。プロが選ぶ日本のホテル旅館100選総合1位の評価をいただきました。従業員が安心して相談・申出を行えるよう各種相談窓口を設置し、グループの県外を含む全店舗に掲示することで、誰でも気軽に相談できる環境を整えています。

具体的な両立支援の仕組みや支援制度をお聞かせください。

■各種窓口を設置、グループ全体に周知
労働者が安心して相談・申出を行えるよう、健康相談、メンタル相談、ハラスメント相談に応じた相談窓口を設置し、総務人事部で対応しています。窓口担当の中には両立支援コーディネーターもいます。加賀屋グループの県外を含む全店舗に掲示し、誰でも気軽に相談できる環境を整えています。窓口はできるだけ相談しやすいよう、男女両方のスタッフがそれぞれプライバシー厳守の上、担当しています。匿名での相談も受付けています。
■社内保育園の活用
社内保育園「カンガルーハウス」があり、もしお子さんが熱を出したなどあれば、すぐに会社に連絡をし、他スタッフがフォローするよう調整を行うことで、母親は早退してお子さんに看病ができるようにしています。
■勤務制度の整備
罹患により今までと同じ業務が難しければ、治療との両立に合う業務に代わっていただいています。また復職時においても、本人の意向をヒアリングしながら、治療との両立ができる業務に代わっていただくことがあります。必要があれば、本人の同意を得た上で、産業医の意見を聞き、本人にとって負担の少ない業務に復帰することもあります。 業務が変わるだけでなく、出勤時間や退勤時間の調整や、就業時間を短くすることもしています。休日についても、治療に必要な日があれば、治療優先で休日をとっていただいています。
■見舞金
入院が必要な場合は、少しでも経済的な支援になればと、お見舞金を支給しています。
■予防医療の補助
健康診断とは別に、毎年会社として乳がん検診を行っています。早期に発見できれば、治療の負担も少なく済むことから、社内で受診希望者を募って実施していています。誰でも受診しやすいよう、費用の一部補助もしており、毎年30名程が受診しています。
■シスター&ブラザー制度
年齢の近い先輩が新入社員に業務を教える制度があり、その先輩が生活面でも寄り添って相談にのっています。

実際に両立支援された具体的事例はありますか?

■がん治療との両立
・接客業務の役職者が、がん治療が必要になり、しばらく休職することがありました。復職する際、立ち仕事となる接客業務は難しいことから、本人の意向を聞きながら、事務業務として役職はそのまま転換していただきました。
・外部出向していた社員が、がん治療でしばらく休職が必要となったことがありました。出向を止めて治療に専念していただき、もともとの関連する業務に復帰、治療のため再度時間調整が必要になった時は負担の少ない業務に転換、就業時間や休日の調整もありました。
・社員寮に入っている社員もがん治療が必要で、長期休職していたことがあります。治療のため実家に戻られた期間もありましたが、寮の部屋はそのままにして、治療を終えたらいつでも復帰できる環境にしていました。

今後の展望・課題をお聞かせください。

加賀屋グループは、経済産業省の健康経営優良法人を2年連続で認定を受けており、健康診断の実施強化、また特定保健指導対象者に受診勧奨を行い、健康管理の啓発を実施しています。
予防にも力を入れており、全国健康保険協会石川支部の資料によると、健康診断の受診率が同業態平均より高いというデータがあります。課題は、再検査受診率の向上と、特定保健指導該当者を減らすことです。
労働安全衛生についても、安全配慮を念頭に、安全衛生委員会の活性化に取り組みたいと考えています。

取組事例一覧