両立支援の取組事例
「社員の人生の質(QOL)向上」を目指し、健康経営に取り組む
TIS株式会社
- 会社名
- TIS株式会社
- 所在地
- 東京都新宿区西新宿8-17-1住友不動産新宿グランドタワー
- 事業内容
- 業種:ITサービス ・ 事業内容:システムインテグレーション
- 設立
- 1971年4月
- 従業員数
- 5,469名(2022年3月現在)
- 平均年齢
- 40.3歳 /男女比 男性7.14:女性2.86
- 産業保健スタッフ
- 16名
キャッシュレス決済や電力のようなインフラから、産業・公共を支えるサービスまで、より豊かな暮らしを実現するための社会基盤をITで支えています。日本のITリーディングカンパニーとして、お客様と共に社会の期待を超え人々の幸せに貢献し「未来の社会に鮮やかな彩り」をつける存在となることが私たちの願いです。
TISでは健康経営に取り組み、社員が心身ともに健康で自分らしく働き、それぞれのスタイルで強みを発揮できていること、そして、それぞれの人生が豊かで幸せであることを目指しています。TISの両立支援制度もまた、社員の人生の質を高めるというコンセプトで設計されています。
TISインテックグループは多様な人材が各々の人間らしさを発揮し、意思と意見を表すことを大切にしています。さらにお互いを尊重し、刺激し合い、柔軟で絶え間ない変化やこれまでにない価値を生み出し続けることを目指し、「多様な人材活躍」、「健康経営」、「働き方改革」を主軸にダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。「健康経営」は、「心身の健康」「働きがいの向上」「生活力の向上」を通じ、人生の質(QOL)の向上を目指しており、「生活力の向上」の一環として、両立支援制度の検討を開始しました。
社内ポータルページにおいて、自社で作成した治療と仕事の両立についてのガイドラインを掲示し、社員がいつでも閲覧可能な状態としています。ガイドラインには、制度制定にいたる背景や制度の目的、利用可能な制度の紹介、制度利用の流れ、制度利用にあたっての心がまえ、本人および会社が対応することなど基本的な考え方から具体的な利用に至るまでの一連の内容を盛り込んでいます。
〈相談窓口〉
不調社員の対応を実施している人事部メンバーのみで構成している窓口を設置しています。
〈休暇制度〉
勤続年数に応じた欠勤・休職期間を設定しています。また、復職まで身体リハビリがさらに必要な社員のための特別休職制度を制定しています。
〈勤務制度〉
短時間勤務・コアタイムなしフレックス(短時間勤務との併用可能)・テレワーク・時差勤務等の制度があります。
〈支援の流れ〉
休業が必要な場合は復職支援時から、休業せず相談起点の場合は相談時から、産業保健スタッフ・両立支援コーディネーターが両立支援制度利用終了まで、定期的に面談等サポートを実施しています。
〈個人情報保護〉
センシティブな情報のため、産業保健スタッフ・相談窓口メンバーおよび本人所属の組織長で情報を連携しています。本人からの開示許可(希望)に応じて、チームメンバー等に連携(原則本人から情報開示を推奨・必要に応じてサポート)しています。
仕事をすることで張り合いを持ちたいとの希望があるターミナル期の社員に対し、本人のスキルを基に業務整理を実施しました。活用できる制度を組み合わせ、通院等治療と並行して業務を実施するための環境整備と受け入れ現場部門・産業保健スタッフ・人事での連携によるサポート体制を整備して、本人の就労を支援しました。
【実績】
短時間勤務制度(3大疾病・特定疾患受給者証認定者に適用)利用者数
2019年度/2名、2020年度/1名、2021年度/2名
※フレックス制度・テレワーク制度:全社員適用(一部適用除外有)
相談関連は、健康相談・キャリア相談共に社内のスタッフで対応しています。また、必要に応じ、契約しているキャリアコンサルタントとの相談を活用しています。
2020年度よりGLTD制度を導入し任意加入率は41.3%、保険金支払実績があります。
女性特有のがんについては就労年齢が若い社員の罹患が見受けられるため、がん検診啓発についてのセミナーを実施しました。その中で作成した治療と仕事の両立についてのガイドラインや両立支援制度および活用事例紹介を行い、罹患後も働き続ける環境が整備されていることも併せて周知しています。また、衛生委員会の活動を通じて労使が協力して推進しています。
弊社は65歳定年制、70歳までの再雇用制度を採用しており、今後、社員の高齢化が進むと予測しています。在職中での罹患によって社員がやりたい仕事をあきらめることなく、病気になったことも人生の通過点の一つとして、その後の人生も歩んでいけるためのサポートが企業や医療機関にますます求められてくると考えています。そのための体制整備や更なる制度拡充が今後の課題です。
同時に社員が自分の病気と共にキャリアにも向き合いながら、両立支援の制度を使う状況になる手前で自身の健康状態に向き合えるよう、健康を維持していくためのリテラシーの向上に向けた施策や研修等を検討していくことも必要であると考えています。
社員が、自身のQOLの更なる向上を目指し、安心して長く働き、キャリアを形成していくことを目指せるように、病気の手前で気づける状況、万が一罹患したのちも就労をあきらめない環境を整備していきたいと考えています。