両立支援の取組事例
「健康でいきいきと働き生活する」ための仕組みとして長期療養サポート制度(GLTD)を導入
日本ゼオン株式会社
- 会社名
- 日本ゼオン株式会社
- 所在地
- 東京都千代田区丸の内1-6-2
- 事業内容
- 化学工業/エラストマー素材・高機能材料の製造販売
- 設立
- 1950年4月
- 従業員数
- 2,770 名(2023年8月現在)
- 平均年齢
- 40歳 /男女比 男性85%:女性15%
- 産業保健スタッフ
- 8名(看護師)
1950年設立の日本ゼオンは、世界に誇る製品を数多く持つ化学メーカーです。
主に、最終製品を構成する「素材」や「部材」を作っています。例えば自動車タイヤ用の合成ゴム、エンジン周りに使われる特殊合成ゴム、スマートフォンやTV画面に使われる光学フィルム、カメラのレンズの材料となる高機能樹脂、シャンプーや香水に用いられる香料等を製造し、世界的に競争力のある製品を提供しています。2021年より開始した中期経営計画における2030年のビジョンとして『社会の期待と社員の意欲に応える会社』を目指しています。
日本ゼオンでは2021年より開始した中期経営計画における2030年のビジョンとして『社会の期待と社員の意欲に応える会社』を目指しています。ビジョン達成のために重要な概念が"Well-being"と"Freedom"であり、この言葉は”自分らしく、よく生きる”と伝えています。長く会社に勤める中で、病気等で長期間休まざるを得ないこともあるため、治療と仕事の両立ができる環境づくりは、まさにWell-beingとFreedomを実現するための重要な施策であると考え、取り組むこととなりました。
社内の「健康管理室」や外部のカウンセリング窓口を窓口として周知しています。相談があった後、産業医やかかりつけ医や所属部門の上司で協議の上、対応するようにしています。
支援制度としては下記を制度化しています。
(1)休暇・休職制度
➀サポート休暇・・・失効した年次有給休暇を最大40日保存して活用できるサポート休暇制度があります。私傷病等での休暇に利用可能です。サポート休暇の日数が一定程度に増えるまで数年を要していましたが、2022年より入社時に16日を付与し、より安心して働けるよう制度改定しました。
②時間単位の年次有給休暇・・・一部事業所ではありますが、1時間単位での年次有給休暇を1年間に最大5日分まで取得可能です。通院や検査等を受けるための外出等に活用されています。
③私傷病の欠勤・休職期間中の給付金・・・健康保険組合から傷病手当金および付加給付金を支給しています。加えて共済会からの給付金があります。
(2)勤務制度
①フレックスタイム制・・・勤務状況に合わせて始業・終業時刻を調整可能です
②テレワーク勤務制度・・・本社事業所を中心としてテレワーク制度を開始しました。2019年から試行していましたが、新型コロナの流行と同時に2020年2月から本格的に開始しました。
(3)両立支援体制
①健康管理室・・・各事業所に健康管理室を設置し看護師を配置しています。
②社外カウンセリング制度・・・外部のカウンセリング窓口を導入し、24時間電話相談が可能です。メンタルヘルスケアのみならず仕事や家庭の悩み等、幅広く相談を受けています。
2023年1月から社員が病気やけがにより就業不能になった場合、最長65歳まで収入を補償する長期療養サポート制度(GLTD)を導入しました。会社が社員全員を補償する全員加入分(30%分)と、社員が補償割合を変えることができる任意加入分(30%、40%、50%)の2階建てとしています。初年度は、社員の約15%が加入いたしました。
その他に、病気・ケガ等での入院や日帰り入院の保障、先進医療の治療費保障が受けられる団体医療保険制度を導入しています。
当社では中期経営計画で掲げる2030年のビジョン達成のための全社戦略の一つとして、「個々の強みを発揮できる「舞台」を全員で創る」ことを挙げています。この舞台の基盤となるのが健康経営であり、健康で意欲的に働ける環境を整えることを要としています。意欲的に働けているか、あるいは環境が整っているかを測るためにエンゲージメント調査を2021年より行っています。エンゲージメント調査は「社員エンゲージメント」と「社員を活かす環境」の2つの指数を測定していますが、2023年の結果では前年を上回る指数となっており、社員と会社がともに信頼し合い意欲的に働ける環境が徐々に整ってきたかと考えています。
健康でいきいきと働き生活するためには、治療に至る前の予防が大事です。当社では、生活習慣病リスクの低減を目的として、「日本ゼオン健康行動指標」を新たに設定しました。この指標は、「BMIが基準値内であること」、「運動習慣があること」、「煙草を吸わないこと」の3つの健康行動から構成されます。一人ひとりが自分ごととしてとらえ、健康行動の習慣化・定着化が課題となっています。
こうした従業員の健康確保のための仕組みと同時に、疾病・障害を抱える従業員をサポートする制度の整備に取り組んでいきます。